この授業改善プランの材料となったのが、04年、墨田区が実施した学習状況調査の結果である。この調査の対象となった教科は、1~2年生は国語・算数の2教科、3~6年生は国語・算数・理科・社会の4教科。その結果やこれまでの研究実績を踏まえ、錦糸小学校は6年生の算数で墨田区の「開発的学力向上プロジェクト」の実施校に指定された。
全学年の算数の結果から、授業改善プランを手がけた算数・少人数指導担当の今井智美先生が話す。
「結果がよかった分野では、研究で力を入れた課題の工夫や教具の工夫が効果的であったと分析できました。また、結果が思わしくなかった分野については、学習の進め方や支援の工夫などを分析することで、今後の課題や解決策が見えてきました」
例えば、「理解したことを自分の言葉で表現する力に欠けている」という課題に対しては、各授業のあとや、一つの単元が終わったあとに、その授業や単元で理解したこと、わからなかったことを、きちんと言葉で表現させるという対策を取り入れる。こうした検証を、算数の少人数指導担当だけでなく、すべての学級担任が学習状況調査の調査教科について行った。加えて、図工および音楽専科の教師も、学習態度や意欲面の課題を踏まえながら、各学年の授業改善プランを作成した。そうした改善策を一つひとつ積み重ね、全学年の底上げにつなげようという考えだ。この授業改善プランの作成は、05年度以降も継続する方針にしているという。
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