ベネッセ教育総合研究所
学校現場が長期休業を意義ある機会とするために 夏休みの指導のポイント
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子どもが自ら調べたくなるような動機づけを
―確かに自由研究を通じて、「途中でつまずきながらも、自分なりに工夫して作品を完成させる」という経験ができれば、それは貴重な学びになります。しかしなかには、「宿題として自由研究が出されたから、とりあえずこなした」という意識の子どももいるように思うのですが…。

深海 子どもは「このことについて調べてみたい。こんなものをつくってみたい」という動機があれば、一生懸命取り組みます。でも動機がなければ、「宿題なんだから、やらなければ」という「やらされ学習」になってしまいます。ですから自由研究ではまず、子どもへの動機づけが重要になります。

―その動機づけのために、教師はどんなことをすればいいのでしょうか。

深海 実は多くの教師は、自由研究の課題は出しているけれども、自由研究に取り組む意義や、テーマ選び、調べ方については、事前にきちんと子どもに指導していないのではないでしょうか。
  これまでに印象に残っている自由研究の例を子どもたちに紹介するだけでも、ずいぶんと違ってくると思います。また教科書のなかにも、自由研究のヒントになるような教材が少なくありません。
  例えば、ある国語の教科書には、アリがどうして行列をつくって歩くのかに興味を持って調べたウィルソンという人の話が載っています。こうしたエピソードから、「自分が不思議に感じていることを、徹底的に調べてみるのは楽しいことだよね」、「夏休みはぜひ自分が知りたいことを調べてみよう」、「そのときにはこんな調べ方があるよ」といったことを、子どもたちに話すといいと思います。

―子どもへの動機づけという点では、夏休み明けの事後指導も大切になりますね。


深海 「作品を提出してそれで終わり」では、子どもの意欲は高まりませんからね。せめて「よく頑張ったね」とほめてあげてほしいし、「先生はこんなところがおもしろかったよ。こんなところに疑問を感じたよ」という声かけまでできれば、さらに子どもは「もっと調べてみよう」という気持ちになれるものです。また夏休み明けにクラスで発表会を開いたり、外部のコンクールに応募するといったことも、子どもの意欲を高めるのには効果的でしょうね。


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