ベネッセ教育総合研究所
学校現場が長期休業を意義ある機会とするために 夏休みの指導のポイント
PAGE 14/14 前ページ


まとめ(中学校) Conclusion
課題の出し方によって夏休みの過ごし方が変わる
 このように夏休みの課題設定の方法を見ていくと、課題探究型のテーマ設定に重点を置く教科と、基礎・基本の定着に重点を置く教科の違いはあるとはいうものの、どの教科にも共通しているのは、夏休みの課題を1学期の授業の延長線上にとらえており、2学期への継続性を意識しているということだ。1学期に学んだことをさらに深めるために、あるいは反復学習によって基礎・基本を確実に定着させるために、夏休みの課題を活用しているのだ。
  今回の企画にあたって全国のモニターに行ったアンケート調査では、「夏休み後の生徒のようす」について、「家庭がしっかりしている家の子は落ち着いて休み明けを迎えられるが、家庭に指導力のない家の子はどうしてもだらしなくなってしまう傾向がある」(神奈川・男性・55歳)、「いちばん感じるのは、成長している生徒と後退している生徒の開き。家庭生活の延長上に学校での態度が表れている感じ」(新潟・男性・50歳)といったように、家庭の教育指導力の格差を指摘する声が少なくなかった。
  確かに「夏休みは、子どもを家庭に返す」という側面もあるだけに、夏休み中の学校から生徒への指導は、限定的なものにとどまるのは事実だ。生徒の学びの質や量は、本人や家庭の教育力に委ねなくてはいけない部分が多い。
  しかし夏休みといえども、教師は課題を通じて、生徒の学びの支援にかかわることができる。課題設定の工夫一つによって、生徒の夏休みの過ごし方は、ずいぶんと違ってくるのではないだろうか。


PAGE 14/14 前ページ
 このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
 
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.

Benesse