特集 つながる幼小の「学び」 ―幼稚園・保育園から小学校、その接続を考える―
無藤隆

▲白梅学園大学長

無藤 隆

Muto Takashi


1946年東京生まれ。東京大教育学部教育心理学科卒業。東京大大学院教育学研究科博士課程、お茶の水女子大生活科学部教授などを経て現在に至る。専門は発達心理学、幼児教育。著書に『子どもの生活における発達と学習』(ミネルヴァ書房)、『早期教育を考える』(日本放送出版協会)、編著に『幼児期にふさわしい知的発達』(チャイルド本社)など多数。

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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特集 つながる幼小の「学び」
幼稚園・保育園から小学校、その接続を考える

多様な環境の中でさまざまな育ち方をしている子どもたち。 新入生たちの就学前までの学びを、小学校の学習に無理なくつなぐには どうすればよいか―幼稚園・保育園から小学校への接続について考える。

【インタビュー】
白梅学園大学長 無藤隆

幼児期の学びの履歴を活用した初期指導を

子どもたちはどのような「学び」を経て、 小学校へと進んでくるのか。 この年代にこそ必要な体験とは何か。 子どもたちの発達段階を踏まえ、 新1年生を迎える教師が取り組むべき課題をきいた。

国際的にも優れている日本の幼児教育

 最近、小学1年生の授業が成立しない「小1プロブレム」などの現象が話題になっています。確かに、そういう事実もあるでしょうが、まず私たちが認識しなければならないことは、欧米諸国などと比べても、一般に日本の子どもは学習に取り組むための基本的姿勢をきちんと身につけているということです。30人から40人規模の学級で学習が成立する様子には、欧米の研究者も驚きを隠しません。
  小学校の指導がスムーズに始められる背景には、日本語の学習上の有利性や絵本の普及、読み聞かせの広まりによる文字との接触率の高さなど、さまざまな要因がありますが、日本の幼児教育における指導の効果も見逃せません。それは、社会性、他者への思いやり、そして感情の抑制を重視した教育です。


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