e授業のある風景 ITの特性を利用した教科学習や学級会活動に取り組む

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【COLUMN】

無線LANの導入と設定の統一で少ないパソコン台数をカバー

青梅市教育委員会指導主事
小瀬和彦

学校教育部指導室教育振興担当主査
大澤正美

 青梅市では2003年度から05年度にかけて、IT化促進の3か年計画に基づき、市内16の小学校にそれぞれ児童用40台、教務用4台のノートパソコン(小規模校1校のみ20台)と無線LANを導入した。
  「児童1人に1台を実現するには、予算的に厳しい状況です。また、有線のLANは無線LANよりも費用がかかり、パソコン専用教室も必要となります。そこで、無線LANとノート型パソコンを組み合わせることで、どの教室でもパソコンを使えるようにしました」(大澤正美氏)
  データはすべて市のサーバに置いている。放課後には児童用のパソコンを教務用として使用することも可能だ。更に、市が整備したパソコンはすべて設定を統一して、公開授業などを行う際には他校からパソコンを借りられるよう、少ない台数をカバーする工夫をこらしている。また、ITサポーターを派遣するなど、人的支援も行い、大きな効果を上げている。サーバは教育委員会が一元管理し暗号管理を徹底するなど、強固なセキュリティ対策を取っている。限られた条件下でもシステムの構築が可能であることを示す好例といえるだろう。
  今後の課題は、ITを使ってどのような授業を行うかだ。教育委員会では、夏季休業日を利用して教職員を対象にIT技能の研修を行い、活用能力の向上を図るとともに、情報交換の場として「情報教育推進委員会」を開催している。また、第四小学校のような、コンピュータ教育研究指定校の実践を他校に広めていくようにしている。これらにより、6年間を系統的に指導するための年間計画が、各校で自主的につくられるようにもなっているという。
  「これまで教育委員会は施設面の要望などを集約してきましたが、今後は、日々の授業の進め方について実践例を出し合って検証できるよう、情報教育の内容に踏み込んだ支援に力を入れる予定です」(小瀬和彦氏)


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