特集 コミュニケーションが生まれる授業づくり

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「待つ勇気」を教師が持つこと

――「場」の設定のほかに、何が必要でしょうか。

 

平田 「表現しなければならない」という呪縛(じゅばく)から解いてあげることでしょう。例えば、演劇の配役で、話したくなさそうな子に「何も話さない役」を与える。すると、その子は少し不安になって、話す代わりに何かを書く役を自らつくったりするんです。日頃から「話せ」「書け」「考えろ」と言われ続けていることで、逆に表現嫌いになる子どもは少なくありません。表現したい内容が出てくるまで「待つ勇気」を教師が持つことが大切です。

 

秋田 私も「待つ勇気」は大事だと思います。授業中、子どもに「抵抗の沈黙」ではなく、「思考の沈黙」をさせてほしい。自分の思考と向き合い、教材と対話する過程で、子どもは話す準備をします。それが見えている教師は「それは面白い考えだね」などと声をかける。逆に見えていなければ「早く書け」「もういいか」などと途中で思考を切ってしまう。時間の制約があるのも理解できますが、考えることに重点を置いた授業を心がけてほしいです。

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