学びが深まるIT活用 スペシャルインタビュー 自己学習の「道具」としてのICT

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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今、求められる子どもが「自ら学ぶ」指導

 私は、もっとICT教育を気軽に考えてもよいと思います。
  前述のように、日本の教師には教材や授業の研究が強く求められ、その指導法は「技」として磨かれてきました。そのため、「職人意識」が極めて強い。教師の10年目研修などでも、板書や発問、また教材研究などの方法が改めて指導されます。
  しかし、指導技術では、日本の教師は既に世界のトップレベルに達しています。もちろん、「技」の追求も大切ですが、これからはむしろ欧米のように、子どもたちに「道具」を与えて独力で考えさせることが必要だと思います。欧米の教師の指導技術は日本よりも劣るかもしれませんが、それが結果として子どもの発展的な学力の育成を促しているのかもしれません。
  子どもの理数系科目の学力を測る国際学力調査TIMSS(注2)ではアジアの国々が上位を占めますが、大学の世界ランキングでは上位が欧米に取って代わります。これは、欧米の子どもたちは自ら学ぶ学習スタイルが身についているので、年齢を重ねても学力を伸ばしていけるからだと考えています。今後は、日本の教育も、そのような方向に目を向けていくべきでしょう。
注2:国際教育到達度評価学会(IEA)の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)。第4学年(日本の小4)と第8学年(日本の中2)の算数・数学と理科の教育到達度を中心に測る
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