つながる「保護者」と「学校」

東京都 足立区立五反野小学校

東京都 足立区立五反野小学校

1952年開校。2000年度に区の「開かれた学校づくり協議会」のモデル校となり、02年には文部科学省からも指定を受ける。コミュニティ・スクールとして、保護者、地域、学校の代表からなる「学校理事会」が、三位一体の学校運営を進める。

校長●三原徹先生

児童数●491名

学級数●17学級(うち弱視学級1学級)

所在地●〒120-0015 東京都足立区足立3-11-5

TEL●03-3889-9304

FAX●03-3889-9305

URL●http://www.adachi. ne.
jp/users/adgota/

三原 徹

▲足立区立五反野小学校校長

三原 徹
Mihara Toru

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【事例3】

「1家庭1支援」を掲げ保護者の当事者意識を生む

東京都 足立区立五反野小学校

コミュニティ・スクールの先駆けとして知られている五反野小学校。2007年6月に行った学校公開には延べ1234名の保護者や地域住民が訪れ、保護者の学校への関心の高さを示した。五反野小学校はどのようにして保護者の参画を呼びかけているのだろうか。

「学校支援カード」で保護者全員が学校に協力

 「学校にお任せ」から「私たちも参画しよう」へと、保護者の意識改革に取り組む五反野小学校。それが端的に表れているのが、五反野小学校の教育目標だ。2002年度に文部科学省の「新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究」の指定校になった際、五反野小学校は保護者、地域住民、学校からなる「学校理事会」を立ち上げ、現在の「ねばり強く取り組む子」「きまりを守る子」などの教育目標をつくった。
  まず保護者、地域、教職員に「本校の子どもを見て、気になることや困ったことはありませんか」と問いかける調査を実施。回答率は、保護者80%、地域83%、教職員100%で、「ゲームで遊んでばかりいる」「町で会っても、挨拶をしない」など多くの声が集まった。それらを33の課題に集約し、子ども、家庭、PTA、地域、学校のそれぞれがすべきことを明確にした上で教育目標を立てた。
  「こんな子どもになってほしいという教育目標に自分の意見が反映されていると思えば、保護者や地域住民にも当事者意識が芽生えます。この過程があったからこそ、『学校、保護者、地域が三位一体となって子どもを育てましょう』とはっきり言えるようになったのだと思います」と、三原徹校長は語る。
  04年度には「1家庭1支援」を掲げ、「学校支援カード」を導入した。これは、校庭開放当番や授業のサポートなど、学校に来て支援してほしい項目と日付を明記したカードで、年度初めに保護者に配付して支援できる項目を申請してもらうというシステムだ。
  「年1回を参加義務としていますが、年度当初に日時を明確にし、共働きでも会社を休みやすいようにしています」(三原校長)
  また、05年度には「交通安全当番」も始めた。子ども1人につき年2回、通学路に立ち、登下校時の安全をサポートするというものだ。これも年度当初に当番の月割りを決めている。
  これらの取り組みはPTAから保護者に協力を依頼。保護者のほぼ全員が参加している。

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