学習時間が長い東アジア3都市、東京の小学生は二極化

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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データから見る教育
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学習基本調査・国際6都市調査

学習時間が長い東アジア3都市
東京の小学生は二極化

学習塾の時間が長い東アジア

 小学生(10、11歳)が平日に学校外で学習する時間を都市別に見ると(図1)、東京は「およそ30分」「1時間」がそれぞれ2割前後と多いが、3時間30分超(「それ以上」)が13.6%いて二極分化している。ソウルは、半数以上が「2時間」を超え、およそ4人に1人は3時間30分超と回答。北京も時間の偏りは少ないものの、相対的に学習時間が長い。一方、ヘルシンキ、ロンドン、ワシントンDCは、「およそ30分」「1時間」に集中し、「2時間」を超える子どもは少ない。
  調査結果では、学校外の学習について、欧米3都市は宿題中心、東アジア3都市では学習塾で長時間勉強する傾向が見られた。

東京の二極化の背景は中学受験

 東京の小学生の学習時間が二極化している背景には中学受験がある。中学受験を「しない」小学生の平均学習時間は54.3分なのに対し、「する」小学生は156.9分と3倍近い。
  明らかに異なるタイプの子どもが同じ教室にいることは、学校での指導を難しくしているといえる。家庭学習についても、「塾に通っている子どもの保護者からは『学校の宿題が多くては困る』と言われ、塾に通っていない子どもの保護者からは『学校の宿題がこんなに少なくては困る』と言われる」と困惑する教師の声を聞く。子どもの学力差にどう対応していくかは、引き続き大きな課題である。
図1

調査概要◎ 調査主体: ベネッセ教育研究開発センター/調査対象:10~11歳児(東京1,105人、ソウル1,300人、北京1,195人、ヘルシンキ526人、ロンドン891人、ワシントンDC955人
  調査時期: 東京、ソウルは2006年6~7月、北京は2006年10月、ヘルシンキは2006年11月、ロンドンは2006年11月~2007年1月、ワシントンDCは2006年12月
  調査方法: 学校通しの質問紙による自記式調査(ただし、ロンドンは学校通しのWEB調査)

* 各都市でのサンプリング方法:サンプリングは有意抽出によって行っている。このため、厳密にはその都市を代表するデータにはなってないことに留意が必要である。
ただし、各都市を担当する研究者、学校関係者が、地域の教育水準や学校の学力レベルに偏りが出ないように十分配慮した上で、対象校を選定し、学校への協力依頼を行っている

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※このページの調査データ等は、先生方や保護者の方々への資料として、是非ご活用ください

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