読者アンケートの結果から 授業時数増加の賛否、根底にある思いは同じ
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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VIEW'S RESEARCH

読者アンケートの結果から

授業時数増加の賛否
根底にある思いは同じ

新学習指導要領で予定されている授業時数の増加。
この是非について、単純な賛否を超えた意見が寄せられた。

教育の質を考えて授業時数を決めるべき

 中央教育審議会の「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ」の中に、国・社・算・理・体の授業時数の増加が明記された。目的は、基礎的・基本的な知識・技能の定着に加えて、観察・実験やレポートの作成といった知識・技能を活用する学習を充実させることだ。低学年で週2コマ、中・高学年で週1コマ程度の増加が予定されている。
  それでは、教師はこうした動きに対して、どのように感じているのだろうか。今回は、授業時数の増加に対する賛否を尋ねた結果を紹介しよう。
  下図に示したように、「賛成」という回答は2割、一方「反対」が半数弱、「どちらともいえない」と態度を保留する回答は3割だった。全体的に、授業時数の増加には「反対」する教師が多いことがわかる。それでは、どのような理由で反対しているのだろうか。
  自由記述からその理由を見ると、「量よりも質が大事」という意見が多い。「単に授業時数を増やせばよいというものではない。授業の質をどう改善していくのかをもっと論じるべきである」といった主張である。また、時数を増やすことの効果を認めつつ、学校週5日制の中で行うのは子どもや教師の負担が大きくなるという意見もある。
  「賛成」と回答している教師にも、条件付きのケースが多い。「時間を確保するために土曜日を復活させる」「残業が増えないように教師の数を増やす」といった前提で、時数の増加に賛成する立場である。こうした見解は、「どちらともいえない」と回答する教師にも数多く見られた。
  結局、「教育の質をもっと考えるべき」「量を増やすとしても環境や条件の整備をすべき」という見方は、授業時数増加への賛否を問わず、同じようだ。

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図

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