明日から使えるICT講座 第1回 デジタルカメラ

講師
中川一史(ひとし)先生

独立行政法人メディア教育開発センター教授、金沢大教育学部客員教授(併任)。数多くの小・中学校で指導・助言を行っている。

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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新連載

明日から使えるICT講座

第1回 デジタルカメラ

不安がらずに子どもに任せて使わせてみよう

デジタルカメラを授業で使いたいと思っても、「子どもが壊してしまいそうで……」
「子どもに教えられるほど使いこなしていない」という不安の声が多く聞かれます。
しかし「本来、デジタルカメラは非常に使いやすい道具」と導入を勧める
メディア教育開発センターの中川一史(ひとし)教授に、授業での活用のコツをうかがいました。

現像代や失敗を気にせず画像の教材を準備できる

 皆さんは、授業でデジタルカメラ(以下、デジカメ)を活用していますか。家庭ではよく使っていても、授業でとなると尻込みをしている先生が多いのではないでしょうか。しかし、もう避けては通れません。新学習指導要領では、各教科・領域等で、体験したことや調べたことをまとめ、発表し合う「言語活動」を重視しています。この活動での必須アイテムがデジカメです。
  デジカメの特色は簡便性です。フィルムカメラよりも気軽に使えます。例えば、デジカメなら現像代を気にせず何枚でも撮れますし、撮影したその場で画像を確認できるので、失敗が少なくなります。テレビにケーブル1本でつなぎ、大画面で写真を見せることもできます。プロジェクターの操作が苦手な先生でも、これなら簡単です。
  とはいえ、自分がしっかり理解していないことを子どもに教えることに抵抗のある先生もいるでしょう。この場合、「子どもと一緒に学んでいこう」という気持ちが大切になります。デジカメなどのICT機器は、子どもの方が使い方をよく知っていることが多いものです。取扱説明書を読むことも大切ですが、子どもに「ちょっと操作を教えて」と頼んでもよいのです。中学年以上なら、クラスに何人かは詳しい子がいるでしょう。彼らを「デジカメ係」に任命してみてはどうでしょう。「先生に頼りにされている」という気持ちは、子どもの自信や意欲を育むよいきっかけとなります。
  今後も、学校におけるICT活用が更に広がることは間違いありません。まずはデジカメを突破口に、苦手意識を克服していきましょう。
活用度UP! ワンポイントアドバイス

「充電ボックス」設置の勧め

 

写真 「デジタルカメラを使おうと思ったらバッテリー切れで使えなかった」という経験はありませんか。こうしたことが続くと、次第に使うのが億劫(おっくう)になります。そこで、ある学校の工夫を紹介します。まず、色の違うカゴを2つ用意します。使用して電池残量が少なくなったカメラは一方のカゴに入れておき、情報担当の先生が充電します。充電が済んだカメラはもう一方のカゴに入れ、使うときはそのカゴから持っていきます。情報担当の先生がメンテナンスできる体制ができていれば、使いたいときにいつでも使えるようになり、活用度も確実に向上していきます。

 

写真提供/鳥取県三朝町立西小学校


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