つながる学校と家庭の学び
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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夏休みの宿題も親子の対話の機会となる

 夏休みの宿題でも、親子のコミュニケーションを深め、家庭内の空気を変えるきっかけをつくれます。親子で一緒に何かに取り組むという宿題を出し、共有体験の機会にするのです。例えば、「親子で紙粘土細工をし、その感想文を書く」という宿題です。親子が一緒に紙粘土細工を作る。普段はあまり日曜大工や工作をしない父親が、意外に器用に粘土をこね、そんな父親を見た母親が「昔のお父さんはね…」などと、普段は語らないようなエピソードを語り出すかもしれません。親子で同じ作業をする時間を持つことによって、日頃、心に埋もれているものがふと出てくる機会になるのです。
 こうした場は、親が子どもに普段と違う顔を見せる機会にもなります。子どもが紙粘土をふざけて放り投げた。いつもなら「何をするの!」と怒り出すような母親が、一緒にふざけて、粘土の投げ合いっこをするかもしれない。こうした些細なことが、親の意外な一面に子どもが気づくチャンスになります。「何か、温かくていいな」と、子どもの口をついて出た言葉は、心の動きや体感を伴った言葉として、その胸に刻まれるでしょう。
 一昔前は、家族の年中行事がありました。梅雨明けに畳を干す、年末に障子を貼り替えるなど、特に機会をつくらなくても日常の中に家族の行事がありました。親と子が同じ体験をしながら、日頃は交わさないような会話をし、一緒にほっとする時間を過ごせた。そんな家族の光景が見られなくなった今、その機会をつくるきっかけを与えることも、学校と家庭の連携の大切なモデルとなるのです。


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