◎成績があまり良くなかった子が、通信簿を渡した時に「先生、僕の10年後を見ていてください」と一言。現在、立派な大人になっています。
[福島県/T小学校/O・M]
◎6年生を担任した時、卒業式を終えて教室に戻ると、H君が突然「先生、『仰げば尊し』を歌っていいですか」と言ってきました。「歌わせてください」と言うのでうなずいたところ、大声で歌い出しました。周りの子どもも一緒になって歌い、涙いっぱいのお別れになりました。教師をやっていて良かったなと思った瞬間です。
[埼玉県/栄小学校/江森孝夫]
◎昆虫が大好きな男子に「『ジンガサハムシ』という金色で透明な虫がいるんだよ」と話したら、実際に捕まえてきました。その後、毎年春になると必ずその虫を持ってきます。私が転任してもジンガサ君を見せに来てくれる「春を告げるエンジェル」です。
[静岡県/F小学校/小澤久美子]
◎前任校でのD君は友だち付き合いが下手で、休み時間は本を読んだり、一人遊びをしたりしていました。3年生の1学期間、私は彼の手を引いて体育館に行き、一緒に過ごしました。徐々に他の子と遊ぶようになり、6年生の時は児童会長になり頑張りました。
[北海道/H小学校/M・E]
◎詩を学習した時、作品の語彙(ごい)が素晴らしい子がいました。その素晴らしい才能を磨くためには、私の指導力では不十分で、誰か専門の先生を探してやらなければと、真剣に考えました。
[東京都/富士見小学校/小島英樹]
◎勉強が苦手だった子が、分数の計算が得意になり、ある時、「勉強って楽しい」とつぶやきました。それ以降、意欲的に学習に取り組むようになりました。
[福島県/福島第二小学校/Y・T]
◎初任のころ、休み時間に児童が突然「A君が階段で吐いた」と職員室に教えに来ました。正直なところ「えっ」と思いながら、場所などを確認して現場に向かうと、担任をしていた4年生の女の子が新聞紙を持って片付けていました。「ありがとう」と言うと、「お母さんと時々していますから」と、あっけらかんとした答えが返ってきました。周りの子どもは尻込みし、実は教師の自分もすぐには手を付けられませんでした。その愚かさを猛省して、その後の頑張りの糧としています。
[岩手県/安渡(あんど)小学校/今野義雄]
◎ボランティアで、校門周辺の掃除を毎日行った子どもがいました。卒業式当日も「今日はいいよ」と声を掛けたにもかかわらず、笑顔で取り組んでいました。
[愛知県/桜町小学校/生田勝利]
◎担任した学級は、学級対抗リレーの3連覇を懸けて6年生最後の運動会に臨みました。2年間の優勝に続き、その年のリハーサルでもダントツの1位。当日、予想通り大差を付けて、学年で一番足の速いアンカーにバトンが渡りました。その子は一気に加速し、差をますます広げ、歯を食いしばり全速力でゴールを駆け抜けました。私はその子に「2位と50メートルも差が付いているのに、よく最後まで油断せず全力で走れたな」と声を掛けました。すると、その子はこう言ったのです。「僕たちのクラスは決して強くありません」と。大差があっても力を抜かずにゴールした姿に、教わるものがありました。
[青森県/中央小学校/竹浪誠也]
◎いつもノートや本にくまなく恐竜の絵を描いていた子がいました。大人になり、デザイナーになりました。
[滋賀県/H小学校/N・A]
◎「教育は繰り返しですね」。25年前に受け持った2年生の男子が私に対して言った言葉。初めて受け持った学級で、しょっちゅうしかっていたやんちゃな子でした。
[大分県/A小学校/M・T]
→ 中学校の先生方の意見も読む
|