つながる学校と家庭の学び

香川県さぬき市立志度小学校

◎1872(明治5)年創立。香川県教育委員会から2007年に「ステップアップスクール」の研究校に指定され、保護者参加型の授業参観など、学校と家庭の連携を強める取り組みをスタート。さまざまな形で学校と家庭の情報交換を実施している。

 

校長◎長谷川誠二先生
児童数◎735人
学級数◎24学級(うち特別支援学級2)
所在地◎
〒769-2101 香川県さぬき市志度727番地
TEL:087-894-0041
URL:http://ew.
sanuki.ne.jp/shido/


長谷川誠二

さぬき市立志度小学校校長

長谷川誠二

Hasegawa Seiji

六車信二

さぬき市立志度小学校

六車信二

Muguruma Shinji
3学年担任、研究主任

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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つながる学校と家庭の学び

親子が学び合う
保護者参加型の授業参観

香川県さぬき市立志度小学校
「学び合い」のある授業づくりを進めるさぬき市立志度小学校では、その一環として保護者と子どもが 一緒に授業を受ける参加型の授業参観を実施している。
学校での子どもの様子を間近で見られる機会として好評で、 参加率は例年9割を超える。保護者の力を生かした教育を進める、同校の取り組みを紹介する。

友だちの保護者に褒められて子どもの笑顔が輝く

家庭科の授業 さぬき市立志度小学校は、ある工夫を加えた授業参観を行っている。年間5回の授業参観のうち、6~7月に実施する授業参観を、親子が一緒に教室で学ぶ「保護者参加型」にしているのだ。
 親子が一緒に学ぶとは具体的にどのような授業なのか。2009年6月に行われた6年生の授業参観を見てみよう。
 6年い組の授業は家庭科の授業だった。子どもが家から持参したみそと野菜を使ってみそ汁を作り、保護者と一緒に味わうという内容だ。子どもは、それぞれの家庭の味の再現を目指す。保護者は一緒に調理こそしないが、事前にみその溶き方や野菜を入れるタイミングなど、我が家のみそ汁を作るコツを子どもに教えている。
  子どもが作ったみそ汁が出来上がると、親子でテーブルを囲み、一緒に食べる。食事が始まって間もなく、「野菜の切り方まで、家のみそ汁にそっくり。そこまではアドバイスしなかったのに、普段から観察していたのね」「だしをしっかり取っていて、家のみそ汁よりおいしいかも」などと、子どもに感想を伝える保護者の声が上がる。子どもは、「家でいつも飲んでいるから覚えているよ」「だしはここを工夫したんだ」などとうれしそうに答えていた。
社会の授業、国語の授業
 6年生の他の2クラスは、教室での授業だった。どちらのクラスでも、保護者は最初の15分ほどは教室の後方や廊下で授業を見学し、担任の合図で一斉に子どもの隣りへ行く。
 6年ろ組は社会科の授業で、5、6人の子どもにそれぞれの保護者が加わって1グループとなり、「歴史人物カルタ」に挑戦した。子どもが歴史上の人物の略歴を読み上げると、その人物の絵札を他の親子が探すというゲームだ。
 グループ活動なので、言葉を交わすのは親子同士とは限らない。グループの子どもが絵札を取ると、保護者は我が子でなくても、「よく知っているわね」と声を掛けたり、人物が分からず困っている子どもに、「その人はこんなこともしたんだよ」などとヒントを与える姿も見られた。
 6年は組は国語の授業。親子が一組になり、偏やつくりから漢字を当てるクイズに取り組んだ。ろ組と同様、子どもと一緒に課題に熱中する保護者やアドバイスをする保護者の姿が見られた。

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