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子どもを中心に学校と家庭が連携
志度小学校は授業参観以外にも、さまざまな形で学校と家庭が連携した取り組みを行っている。
「規則正しい食生活や家庭学習の習慣を付けようとしていますが、学校だけの取り組みでは限界があります。子どもの生活の基盤である家庭と連携してこそ、徹底できます」(長谷川校長)
家庭への働き掛けの中心になるのは、学校だより「志度っ子・ぐんぐん」だ(
図1
)。子どもの学校での様子を報告したり、学習習慣の改善を呼び掛けたりするだけでなく、教師が家庭学習の勉強法をアドバイスする連載コーナーもある。
図1 学校だより「志度っ子・ぐんぐん」
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学校だより「志度っ子・ぐんぐん」。子どもの生活面、学習面での習慣改善について家庭に協力を求める。連載コラムの内容は、各教師による自主学習や勉強法についての体験談、アドバイスなど
学校外での生活や家庭学習の様子を知るためには、「生活リズム調べ」や「チャレンジノート」を活用する。どちらにも保護者からの通信欄を設けている。保護者は気になったことを担任に向けて書くので、担任は、自分の目の届かない場所で子どもがどう行動しているかを知ることが出来る。
同校は積極的に情報を発信する一方で、家庭からの情報も求め、集まった情報は、各家庭間の連携に役立てている。
「『ほけんだより』(
図2
)の紙面を工夫して、保護者同士の意見交換のコーナーをつくりました。子どもの生活にかかわるいろいろな悩みや迷いを保護者間で共有するスペースです。各家庭での解決策や工夫も寄せられています。『ほけんだより』上での交流は、直接会ってこそいないものの、保護者同士の結びつきを強めていると思います」(六車先生)
図2 「ほけんだより」
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「ほけんだより」。保護者の悩みや各家庭での工夫などの紹介を積極的に行っている。紙面を通して、子どもを中心にした保護者同士のつながりが深まった
家庭との連携について、長谷川校長は次のように語る。
「保護者にとっても学校にとっても、最も大事なことは、子どもの健やかな成長です。この共通の目的のために、学校と家庭は今以上に情報のやりとりが出来ると思います。家庭からの情報を得るには、まず学校が情報を公開しなければなりません。少しでも多く学校のことを知ってもらうために、保護者参加型の授業参観や学校だよりなどを一層充実させていきたいと考えています」
保護者が学校を信頼し、取り組みに理解を示していることは、およそ9割という授業参観の出席率にも表れている。志度小学校が目指すのは、学校と家庭が一緒に子どもを育てる関係だ。
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