「データで考える子どもの世界」
移行措置対応のポイント 第3回 子どもが主体的に考える理科の指導
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「考察」とは何か

 「結果」から「結論」を導く過程
 「考察」のために何か特別なことをしなければならないと考える必要はありません。ただし、観察や実験の最終的な目的は、結果を基に「結論」を出すこと()だと意識して授業をすることは大切です。
 観察や実験の結果が出た時点で授業を終えてしまうと、子どもは「実験がうまくいった」「教科書と同じになった」というような観察や実験の「結果」についての感想を抱くだけで、考えて「結論」を導く場面がありません。
 5年生の単元「物の溶け方」を例に説明しましょう。食塩が水に溶ける量を調べるため、水温や水量を変えて実験し、データを得ます。これが「結果」ですが、本来はここで授業を終えてはいけません。この結果から分かること、例えば、「温度が一定の場合、水の量が多いほど溶ける塩の量も多い」といった溶解の概念を導き出させて、初めて単元のねらいが達成されます。これが「結論」を出すということです。つまり、「結果」と「結論」をつなぐのが考察なのです。
図:「結果」と「結論」の違い

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