うちの子は、自分からなかなか勉強をしようとしません。厳しく言うと、しぶしぶ始めますが、30分もしないうちにテレビや漫画を見ています。親が言わなくても学習する習慣を定着させるには、どうしたらよいのでしょうか?

(質問者:長野県/小2男子・母)

A勉強に取りかかるまでのハードルを下げる工夫を

学習習慣を身につけるための最初のポイントは、「さあ勉強しよう!」という取りかかりのハードルを低くすることです。
例えば、あるご家庭では、ランドセル2つ分くらいの大きさの浅い箱を玄関に置いています。それまでは、学校から帰ったら玄関にランドセルを放り出して遊びに行っていたのですが、ランドセルの中身をすべて箱の中に出してから遊びに行くようにとだけ約束しました。すると、遊びから帰ってきた時には、宿題のドリルや筆記用具などが箱の中に出た状態になっているため、すぐに勉強に取りかかれるようになりました。

つまり、遊びから帰って勉強に取りかかるまでのハードルが下がったわけで、それによって机に向かいやすくなったそうです。私はこれを「とりあえず準備方式」と名づけました。似たような工夫として、その日の学習教材や文具類一式をテーブルや机の上に出しておいたり、その日にやる教材のページを開いておいたりする方法もお勧めです。

また、「とりあえず1問方式」もお勧めです。それは、漢字の書き取りなら1文字だけ書いてから、算数のプリントなら初めの1問だけ解いてから遊びに行く方法です。
そうすることで、やるべきことの全体像や、どれくらい時間がかかるかの見通しをつけることができます。見通しがついていると、本格的に取りかかるときのハードルが下がり、取りかかりやすくなります。

ほかに「サンドイッチ方式」という方法もあります。例えば、算数の問題を10問解いたら、30分間だけテレビを観てもよしとする、漢字を20文字書けたら、漫画を30分間だけ読んでよしとするといったように、勉強と息抜きを交替でする方法です。
どの方法がよいのかは、お子さまの個性に応じて試してみてください。

ちなみに「○分間勉強する」というように、時間で勉強を区切る方法は、時間が気になって勉強が雑になりがちなので、あまりお勧めはできません。