いつもスマートフォンを触っている息子に、「テスト勉強期間中は、スマホを自室に持ち込まないように」と注意しても、「調べものをするために必要」と言って持ち込みます。しかし、しばらくするとゲームをしたり、動画を見たりしていることも少なくありません。どうしたら、この状況を改善できるでしょうか?

(質問者:神奈川県/中3男子・父)

A言い分を聞いた上で、ルールを一緒に決めて、明文化しておく

スマートフォンに限らず、メディアの使用に関することは現代的な課題です。保護者の考えを一方的に話すのではなく、スマートフォンを使うことについて、腹を割って子どもと話し合う姿勢が大切です。
その際、まずは子どもの言い分を、共感的にじっくりと聞いてあげましょう。その上で、「視力が低下する恐れがある」「読書をする時間が減る」など、保護者が何を心配しているのか、どうしてほしいのかを丁寧に伝えます。先に子どもの思いを共感的に聞いておくと、子どもも保護者の話にきちんと耳を傾けてくれます。

そのような共感的な雰囲気の中で、ルール作りに進みます。そこでも互いの話を共感的に聞きながら、民主的な対話を通して、主張したり妥協したりしながら着地点を見つけてルールを作っていきます。
決まったことは、ホワイトボードに書いて、常に見える位置に置きましょう。ルールを運用してみて現実にそぐわない点が出てきたら、また話し合ってルールを書き換えます。ホワイトボードは、書いたり、消したりすることがしやすいので、使用をお勧めします。

そのように、ルール作りに子どもがかかわることが大切なのであり、それによって初めて「ルールを守ろう」という意識が育ちます。また、民主的かつ共感的な対話によって、子どもは「お父さん(お母さん)は自分の話を聞いてくれる。押しつけないで一緒に考えてくれる」と感じて、保護者への信頼感が高まります。そうなっていれば、子どもは何か予期せぬ問題が発生した時も、保護者に相談することができるようになります。