公立小中学校などの通常学級に在籍する発達障害児らが週に1、2回、クラスを離れて個別にコミュニケーション方法などを学ぶ「通級指導」。利用者は10年で2.5倍に増えているが、学校側の受け入れ体制は十分整っていないのが現状だ。文部科学省は、子どもが自分の学校で指導を受けられるよう、担当教員がいない学校には他校から教員が巡回してくる方式の導入を促す方針だ。

 通級指導は、児童生徒が通う学校に担当教員がいるか、担当教員が他校から巡回してくる場合は自校で受けることが可能。一方で、担当教員がいる拠点校に子どもが出向く「他校通級」となるケースも多く、子どもや、送り迎えする保護者の負担となっている。

 このため、同省は全国の教育委員会に対し、自校で通級を受けられる体制を拡充するよう呼び掛けており、14日に具体策を議論する有識者検討会を新たに発足させる。検討会は年度末までに提言をまとめる見通しだ。

 将来的には、指導を担当する教員を確保するための人件費を増額したり、巡回に必要な交通費を支給したりすることも視野に、支援の在り方を検討する。

 1993年度に始まった通級指導は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)や自閉症を抱える子どもを受け入れるようになり急増。一方、教員の確保は難しく、巡回方式も全体の6%にすぎない。

 同省が2011年度に実施した抽出調査では、学校が「学習面や行動面の支援が必要」と判断した子どものうち、8割超が通級指導を受けていなかった。ある中山間地の県は、他校通級について「学校間の距離が遠く、保護者の送迎負担が重いため、なかなか気軽に受けてもらえないのが現状だ」と打ち明ける。

 同省幹部は「教員不足もあり、指導を受ける子どもの数は自治体によって大きな差がある」と指摘する。