ネコがマタタビの葉をなめたりかんだりして葉が傷つくと、蚊に刺されにくくなる効果と幸福感をもたらす化学物質群の総放出量が10倍以上増え、成分の比率も変わることが分かった。岩手大と名古屋大、英リバプール大の研究チームが14日付の米オンライン科学誌アイサイエンスに発表した。

 岩手大農学部の宮崎雅雄教授は「マタタビの蚊よけ成分を最も効果的に利用できるようネコが進化したと考えられるが、そう意図しているわけではないだろう。ネコ科動物だけが反応する謎を解くため、遺伝子を調べたい」と話している。

 マタタビはマタタビ科のつる性樹木で、キウイに近い。ネコ科動物が酔ったような反応を示す葉の成分は1950年代に「マタタビラクトン」と総称され、研究チームは昨年1月、主成分を「ネペタラクトール」と特定。ネコの毛に付着すると蚊よけ効果があるほか、幸福感をもたらす神経伝達物質「ベータ・エンドルフィン」の血中濃度が上昇すると発表していた。

 宮崎教授や岩手大大学院生上野山怜子さんらは今回、無傷の葉ではネペタラクトールが9割以上であるのに対し、傷ついた葉ではネペタラクトールとその他のマタタビラクトン類の割合がほぼ半々に変わることを発見。総放出量の増加と相まって効果が増強されることを実験で明らかにした。

 ネコは、西洋マタタビと呼ばれハーブとして料理などに使われるシソ科の草「キャットニップ」にも同様の反応を示す。主成分はネペタラクトールに似た「ネペタラクトン」であることが海外で解明されているが、キャットニップの葉は傷ついても成分比率が変わらず、傷ついたマタタビの葉の方が有効成分がわずかでも強い反応をもたらすことが分かった。