今年の大学入学共通テストは、昨年の問題流出事件を受け、不正防止対策を一層強化して実施される。感染拡大が続く新型コロナウイルス対策は、マスク着用や消毒などの徹底は変わらないものの、一部で緩和された。

 事件で問題を流出させた女子受験生は、上着の袖に隠したスマートフォンで問題を撮影し、中継役を介して大学生に送信したとされる。このため今回のテストでは、試験開始前にスマホを一斉に机の上に出させ、電源を切らせてからかばんにしまうよう対応を見直した。試験中にイヤホンを耳に着けていれば不正と見なすことも受験案内に明記した。

 入試センターは巡視の際、受験生の手の位置や目線など注意するポイントをまとめたマニュアルを試験の監督者に提供したほか、巡視回数を増やすよう各大学に要請。不正発覚時には警察へ被害届を出す場合があると受験生に繰り返し周知した。

 受験生以外の対策として、文部科学省は昨年末、大学生らがSNSを通じて解答の返信依頼に応じることのないよう、大学などを通じて注意喚起した。

 一方、コロナ対策では、試験当日に体調不良となった受験生に受験継続を認めず追試験とする基準を一部変更。症状について「37.5度以上」の発熱から「38度以上」に緩和した。

 文科省が昨年まで自粛を求めていた予備校関係者らによる会場周辺での激励については、今年は自粛を求めず、マスク着用や大声を出さないなど感染対策を徹底するよう呼び掛けた。