ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、日本に避難してきた学生の学位取得を支援しようと、学生を受け入れている国際基督教大(ICU、東京都三鷹市)がクラウドファンディング(CF)で寄付を呼び掛けている。岩切正一郎学長は「支援の気持ちを持続することが大事だ。(CFを通じて)それを見えるようにしたい」と話している。目標額は1000万円で、6月30日まで受け付ける。

 ICUは昨年5月、女性5人を聴講生として受け入れた。5人とも日本での学位取得を希望しており、学部編入や大学院進学が決定。卒業までには学費や寮費など計約2600万円がかかる見通しという。大学として5人に負担させない方針だが、広く支援を呼び掛けようと4月14日からCFを開始した。

 寄付は順調に集まり、当初の目標だった500万円は既に達成。応援メッセージも多数寄せられているという。

 避難学生の一人、ダリア・レシェトニャクさん(19)はウクライナ東部ドニプロの出身で、大学で日本語を学んでいた。昨年2月の侵攻後、「行くなら日本しかない」と考え、ICUのプログラムに応募した。心理学に関心があり、日本にいる避難民の手伝いをしたいと考えている。「ウクライナと日本の懸け橋になりたい」と語った。