東洋大は9日、米新興企業オープンAIの大規模言語モデル「GPT4」を学生が無料で安全に使える教育システムを開発し、4月から情報連携学部で導入したと発表した。同学部の全学年で人工知能(AI)を利用した自学自習が可能という。

 坂村健学部長によると、GPT4は対話型AI「チャットGPT」の「頭脳」に相当。チャットGPTを通じて利用する場合は有料で、対話内容がサーバーに保存されてしまうなど、学生に利用させるには課題があった。

 そこで、チャットGPTを使わず直接GPT4にアクセスするシステムを独自開発。大学側が費用を負担し、学生は一定の制限はあるものの、無料で対話を繰り返して理解を深めたり、研究したりできる。教員も学習の進捗(しんちょく)状況を確認できる。

 異常な通信を検知した場合は遮断し、対話内容も保存されない。

 このシステムを他大学や企業で利用できるよう検討も始めているという。

 坂村学部長は「学生たちが最先端の技術を活用して学びを深めることができる環境を提供することで、AIを使いこなせる人材を育成していきたい」とコメントした。