東京大が授業料引き上げの検討を始めた。年53万5800円から最大約10万円の増額が可能で、学生からは「学ぶ自由を脅かす」と反対の声が上がっている。東大の動向は他の国立大にも影響する可能性があり、注目を集めている。

国立大の授業料は2004年度の法人化以降、各校が省令に基づいて決める。学部の標準額は年53万5800円で、1.2倍の同64万2960円を超えない範囲で設定。東大はこれまで標準額を維持してきた一方、東京工業大と東京芸大は19年度から値上げした。その後、一橋大や東京医科歯科大などが続き、現在は全国86校中7校が標準額を上回っている。

関係者によると、東大は上限までの値上げも含め検討を始めた。少子化の影響で大学経営は厳しい状況に置かれており、研究の国際化や、デジタル化の推進も背景にあるとみられる。ただ、奨学金や授業料減免制度の拡充も併せて議論されているという。

東大広報課は「授業料について検討しているのは事実だが、議論中で公表できることはない」としている。

学生側には反発が広がる。有志は「引き上げは経済的に苦しい学生の学ぶ自由を脅かし、志ある学生への門戸を閉ざす」として、19日にあった学園祭で横断幕を掲げるなど抗議した。

東大教養学部1、2年生による学生自治会は18~20日、簡易的な調査を実施。418件の回答があり、引き上げには反対意見が多かったという。今後、全学生を対象にアンケートを行う。

自治会理事の2年生ガリグ優悟さん(20)は、引き上げで最も影響を受けるのは学生だとし、「アンケート結果を踏まえ、大学側に学生との話し合いを求めていく」と述べた。