東京大は24日、来年度入学から年間の授業料を約10万円引き上げ、約64万円とすることを正式決定した。改定案が役員会議で了承された。同大の授業料値上げは20年ぶりで、他大学も追随する可能性がある。

 東大は「現在、未来の学生のため、教育学習環境の改善を不断に続けていく。授業料改定は、その実現を目指す基盤整備施策の一つだ」とするコメントを出した。

 国立大の授業料は省令に基づいて定められ、標準額は年53万5800円で、同64万2960円まで引き上げが可能。東大はこれまで標準額を維持してきた。

 同大によると、学部生は2025年度入学以降、上限の年64万2960円とする。修士課程でも29年度から上限まで増額。いずれも在学生は対象外で、博士課程は据え置く。

 同大は10日に授業料改定の方針を公表し、藤井輝夫学長は「高等教育のグローバルな競争が激しさを増す中、学習環境の改善は待ったなしだ」と述べた。

 授業料改定による増収は28年度末時点で年13.5億円を見込む。学習支援システムの機能強化や、施設の情報環境整備など教育環境の改善に充てるとしている。