5回目の挑戦で自民党のトップに上り詰めた石破茂総裁(67)は、1日召集の臨時国会で第102代首相に指名される。石破氏と長年付き合いがある地元鳥取県の同級生らは、その性格について「真面目」で「変わらない」と語った。
幼稚園から中学校までを共に過ごした元同級生の女性(68)は、「ずっと真面目だった」と振り返る。今回の総裁選での演説を聞き、1986年に衆院議員初当選した直後、支援者らと酒を酌み交わしながら「日本国をよくしたい」と語っていた姿が重なったという。
地元の講演などでは「首相になることは手段であって目的でない」と繰り返していた。女性は「ずっと『石破君』と呼んでいたけど、これからは『石破さん』かな」と冗談めかしながら祝福し、「体に気を付けて」と気遣った。
後援会会長で、中学では共に生徒会活動をした一学年上の渡辺憲さん(69)も「当時から自身の考えをしっかり持っており、いまの雰囲気と似ていた」と述懐。一方で、生徒同士の議論をしっかりとまとめており、首相としての活躍に期待した。
母親の影響でキリスト教系の幼稚園に通い、地元の教会で洗礼を受けた石破氏。成長を見守ってきた元教会役員、松田章義さん(90)によると、園で映画「三匹の子ぶた」を見ていた際、「オオカミが出てくると『怖いよー』と言って、担任の先生の後ろに隠れていた」といい、「おとなしい子どもだった」と目を細めた。
今でもクリスマスか元日の礼拝に欠かさず参加しているという。松田さんは「人付き合いが悪い、変わり者だと言われるが、まじめすぎて清濁併せのむことができないだけだ」と評し、「67年間守ってきた信条を崩さずに頑張ってほしい」とエールを送った。