文部科学省は27日、2023年度学校保健統計調査の結果を公表した。裸眼視力が1.0未満の小中高生の割合は、前年度からわずかに減少したが、専門家は「視力が改善しているとは断定できない」としている。

調査は1948年度から毎年実施。全国の幼稚園児や小中高生などから抽出した約321万人を対象に、健康診断の結果から発育と健康状態を調査した。

裸眼視力が1.0未満の割合は、小学生が37.79%(前年度37.88%)、中学生が60.93%(同61.23%)、高校生が67.80%(同71.56%)だった。

衛藤隆東京大名誉教授(学校保健学)は、情報端末が学校現場に普及していることや、スマートフォンを利用する時間が増えていることなどから「子どもの生活環境は、近くを注視する時間が長くなっている」と指摘した上で、今回の結果だけでは視力が改善しているとは判断できず、「微減は一時的な変動の可能性が高い」と述べた。