政府が月内に策定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の文部科学省部分の原案が4日、判明した。教員の成り手不足が深刻化する中、人材の育成や確保に関する「仕組みの改革」の実施を明記。教員を目指す学生を増やすため、教員養成大学の機能を強化する方針を盛り込んだ。

自民、公明、日本維新の会の3党が合意している高校授業料の実質無償化や給食無償化についても盛り込む方向で調整している。

教員の養成を巡っては、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の部会が、情報通信技術(ICT)で教職課程の学生の学習を効率化させる方策や、教職大学院で高度な知見を持つ教員を育成する方法について議論。文科省が具体的な施策を検討する。

原案は、教員となった大学院修了者向けの奨学金返済免除制度の対象を大学の学部卒業者に拡大するかについて、「さらなる検討に取り組む」と記載。公立中学校での35人学級の実現に向け、必要な財源確保に加え、教員定数の改善や外部人材の拡充で望ましい教育環境を構築するとした。

高等教育分野では、少子化の進行など社会状況の変化に対応するため、大学の再編統合や縮小・撤退による規模の適正化に取り組む方針を示した。