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教師が変われば生徒も変わる |
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同校が学校づくりの構えとして掲げるのは、「授業で生徒を変える」「環境が生徒を変え、生徒が環境をつくる」の二つ。そのどちらも、「教師が変われば、生徒も変わる」を合言葉に、先生たちが骨身を惜しまず「一枚岩」となって参加している姿が見られる。
その象徴が、毎朝、教員が取り組んでいる清掃活動。ほかにも教員の資質向上の一環として、休日に市街地の清掃活動・福祉施設清掃活動なども行っている。
教科指導に関しては、全校研究会が年2~3回行われるほか、可児市の研究会の授業者に六人が立候補。また、紹介した英語の授業でも、先生が薬袋や薬を本物そっくりに作って生徒に配布したり、ファーストフード店でのやりとりを学習する際には、実際に店から制帽を借りてきて生徒に着用させるなど、さまざまな工夫をしていた。
こうなると、教員の負担は、他校と比べてもかなり多いだろう。しかし、どの先生も「しんどいですよ」と言いながら、顔から笑みが絶えない。組織運営のよさはあるにしても、なぜ、ここまで一枚岩になれるのか。
実は、数年前、現在の姿からは想像もつかないほど荒れていた時期があったという。当時を知る先生方の、「あのころに戻してはならない」との思いは強い。しかし、実際の先生たちの活力源は、何よりも生徒たちのいまの姿そのもの。
朝、先生があいさつをし、掃除をすれば、生徒も自然とやるようになるという。英語の授業で手作りの薬袋を見た生徒たちは、「ここまで先生がやってくれるなら、私たちもがんばらんと」と話していた。そうした一つひとつのエピソードが教師の励みになり、教師自らが変わらざるを得なくなる。
教師が変われば、生徒が変わる─。先生方一人ひとりがその言葉を実感していることが、中部中の実践を内側から支えているのだろう。 |
▲写真3 英語の時間に使ったカルテ。医師役は症状を記入し、 渡された患者は自分のプリントに貼っていく
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