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学力向上への“確かなビジョン”づくりに向けて ─「学力向上のための基本調査2004」より─ |
ベネッセ教育総研では、2004年の5月に全国の小学校・中学校を対象に「学力向上のための基本調査2004」(注1)を実施した。その結果として、保護者の働きかけが児童・生徒の教科学力に大きな関連があることが明らかになった。今回は、その調査結果の一部を紹介する。 |
●三つの力(学びの基礎力・生きる力・教科学力)は相互に関係がある |
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前回調査(注3)同様、「学びの基礎力」「生きる力」にかかわる子どもの自己評価と「教科学力」との関係についても調べた。小学6年生と中学3年生についてみてみると、いずれの項目でも、教科学力の高い子どものほうが、そうでない子どもよりも、学びの基礎力や生きる力を問う各設問に肯定的な回答(「とても+まあ」あてはまる)の割合が高いことがわかる(図1)。図示した項目以外でも、前回調査で見た三つの力の相互関係を今回、全般的にあらためて確認することができた。 |
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注1 「学力向上のための基本調査2004」
調査概要:2004年5月、全国各地の小学4年生・6年生、中学3年生(計約8,900人)に教科学力と学習意識調査、教師・主任・校長(計2,260人)に学力向上の取り組み状況調査、子ども調査実施の小学校・中学校の保護者(計6,404人)に学校の学力向上の取り組み状況の評価と家庭でのしつけ・教育の状況の調査を実施。2005年春ごろに報告書発刊を予定している。
注2 3つの力(学びの基礎力・生きる力・教科学力)
「学びの基礎力」「生きる力」「教科学力」は子どもの学力を総合的にとらえるときのモデルとしてベネッセ教育総研が提唱(詳細はベネッセ教育総研オンライン参照)
●学びの基礎力
・豊かな基礎体験―直接体験・基本的な生活習慣などの体験・経験
・学びに向かう力―学びの意欲を表す力
・自ら学ぶ力―学習スキルや自宅学習・計画力など自分で学習を進めていく力
・学びを律する力―学習の継続力・授業への構えのような学習をコントロールする力
●生きる力
・問題解決力―問題解決のために必要な資質・能力
・社会的実践力―社会にかかわり、社会の一員として参画していく力
・豊かな心―責任感・勇気・思いやり・バランス感覚など豊かな人間性
・自己成長力―成長意欲・自己実現力・進路決定力・将来の夢などの自分の成長にかかわる力
●教科学力
・「関心・意欲・態度」「知識・理解」「思考・判断」「技能・表現」の4つの観点からなる総合的 な学力
注3 「学力向上のための基本調査2003」:詳細は、「学力向上のための基本調査2003」の報告書『豊かな学力の確かな育成に向けて』(田中博之・木原俊行監修、ベネッセ教育総研刊)を参照。サマリー(速報版)は、こちらから参照できる。
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