ベネッセ教育総合研究所
私立日本大学山形中学校
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データベース化を通して「生きた教材」をつくりたい
 紹介する授業は、コンピュータ室で行った英語担当の半田美由紀先生による2年生英語(授業例1)と1年生英語(授業例2)の授業だ。メインの授業では、普通教室で1クラスを三つに分け、日本人の英語教員とALTがそれぞれに担当する少人数授業を実施している。さらにメインの授業とは別に、コンピュータ室でIT教材を使った授業を英語教員とITサポーターが行っている。
 IT教材を活用した授業で主に使っているのが、インターネットを通じて学習できるアメリカの英語学習オンラインソフトだ。一人ひとりのレベル、理解度にそって生徒自身が先に進んだり、何度も復習をしたりすることもできるため、高い効果をあげていると先生方は口をそろえる。今回の授業では生徒の学習の履歴=データベースづくりに重点を置いた「スクールイントラパック3」を活用した。
 2年生の授業のねらいを英語担当の澁井徹先生は次のように説明する。
 「原稿を自分で書いてパソコンで文字入力し録音してみるというのは、はじめての試みでした。いちばんのねらいは、『スクールイントラパック3』を使ってスピーチコンテストの一人ひとりの成果を、『生きた教材』としてデータベースに残すことです。録音した本人が『今後はこうしたい』と気づいたり、さらに次の年に後輩たちが『先輩たちはこういう内容をこういう発音でやっていたんだ』と参考にしたり『自分でもできる』と思ったりできます。その意味で、データベース化したものを全員で聞き合って、高め合うこともできたようです」
 自分たちでデータベースをつくるには、パソコンのスキルも重要だ。音声録音の操作、ファイルの保存、データの貼り付けなどを自分でこなさなければならない。音声録音の作業をするのは今回の授業がはじめてだったため、録音に時間がかかる子も多かった。
 「IT教材を使った授業では、英語だけではなくタイピングのスキルをはじめとした情報教育もあわせて行っています。特に『スクールイントラパック3』は、自分自身の成果を蓄積していく教材ですから、パソコンの技能も高めていく必要があります。その意味では、さまざまな使い方ができるソフトウエアだと思います」(半田先生)


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