ベネッセ教育総合研究所
私立日本大学山形中学校
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教材研究によってより高い学習効果のあるIT授業を
 では自学自習に使えるオンラインソフトと「スクールイントラパック3」によって、IT授業は理想的に行われているのだろうか。
 澁井先生、半田先生とも、少人数授業によるメインの授業とIT授業によって、英語の学習効果の手応えは感じている。しかし、より高い学習効果をあげるために必要なこととして先生方が挙げるのは、メインの授業とIT授業とのリンクだ。現在は、IT授業を「聞く力」の養成を主とする補足的なものとして、メインの授業とは別に進めている。IT教材、ALTによる授業、それぞれの特性を見極めたうえで、メインの授業と相互乗り入れしたカリキュラムを組むことができれば、より高い学習効果が得られるのではないかと澁井先生は語る。
 「現在は両者の進み方が違うので、メインの授業で教えていないことがIT授業のなかで出てきてしまうことも多い。IT授業の場合は、できる子はどんどん質問して先に進むことができるので、いろいろな能力の生徒が同じ授業のなかで共存できているという点はいいと思います。しかし、これは過渡期であって、メインの授業とIT授業とをどのように切り分けるかについては、さらに研究材料を集めて考えていかなければならないと感じています」
 そのために必要なことは、「やはり地道な教材研究」と半田先生。
 「メインの授業をしっかりサポートできるようなIT授業へと進化させていくには、例えば、メインの授業の成果を反映できるような活動を『スクールイントラパック3』で行うことで生徒の理解は深まると思います。
 こうしたことを実現するためには、ALTにIT授業の計画づくりに参加してもらうことも必要だと思いますが、まずは教材研究が重要になります」
 よりよいIT授業を行うために必要なのは、ソフトではなく教科内容をより深く理解する力。IT環境の充実や、教える側のパソコンスキルの向上に目を奪われがちだが、IT授業の成功のカギはより基本的な教材研究にあるのかもしれない。


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