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個に応じた指導を、学校全体で実現するために |
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金鑄先生がIT教材に期待するのは、生徒一人ひとりに応じた指導の実現だ。そのための機能の一つが履歴を残すことによる個別支援の強化だという。
「例えば、誤ったところやヒントを見た履歴を残すことで、教える側が生徒の理解度をきめ細かに把握できます。そうすると一人ひとりの理解度に合った指導内容を考えることが可能になります」
もう一つは、生徒が自分で答え合わせをしたり、ヒントを見てやり直したりすることができるので、自分のスピードで学習が進められるという点だ。理解不足で問題を解くのに時間がかかり、支援が必要な子もいれば、どんどん解いて答え合わせをして先に進みたい子もいる。こうしたそれぞれのペースに応じた学習を支えるコンテンツを、より強化していきたいと金鑄先生は言う。
よりよい指導を実現するため、金鑄先生はIT教材の活用を学校全体に広げようと、新しいIT教材の資料を配ったり、自分で実際に授業を行って紹介したりしている。しかし、「スクールイントラパック3」などのIT教材で実際に何ができるのか、まだあまり理解が広がらないことに金鑄先生はじれったさを感じている。
「インターネットは多くの先生が調べ学習で使ってらっしゃるんですが、IT教材を使う段階までは進んでいない。各教科で使えるところは取り入れてほしい」
しかしまず「ITで何ができるのか」がわからないことには、先生方に興味を持ってもらえない。
「『IT教材を使わなくても普通の授業でできるのでは』という先生に、『あっ、こういうこともできるんだ、面白そう』と思ってもらわないと。自分の教科に応用できるなと思ってもらうための働きかけがまだまだ必要だと思います」
現在は特に研修といった形はとらず、先生方の自由に任せ、「空いている先生は見に来てください」と授業の前に声をかけている。同校では校長先生も授業中に自由に教室に出入りするため、他の先生も時間が空いていれば気軽に授業を見に行く自由な雰囲気がある。そうした環境のなかで、IT教材の理解が深まっていき、個に応じた指導がより広く可能になる方向に武生六中は進もうとしている。 |
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