ベネッセ教育総合研究所
武生第六中学校
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IT教材を使う目的・効果をしっかり考えた授業を
 前ページで紹介したのは、金鑄先生による2年生の理科「電流のはたらき」についての授業例だ。金鑄先生は今回の授業のねらいについて次のように語る。
 「今回『スクールイントラパック3』を使ってIT授業をするいちばんのねらいは、一人ひとりがどこでつまずいたかという履歴を残すことです。計算をしていくなかで、解けなかった問題があったときにヒントを見る、または間違った問題をもう一度解いてみる。そして、その都度解答の過程を新しいシートに登録していけば、一人ひとりがどこでつまずいたか履歴が残ります。一人ひとりの状況を確認して、次の授業でその部分を支援していくために役立てたいと思ったんです」
 また、生徒にそれぞれの作業や思考をさせるために、授業には小さな工夫がちりばめられている。
(1)前方のスクリーンに注目させての説明
(2)個人個人がパソコンに向かって操作する時間が間延びしないように、時間を細かく区切る
(3)実験装置で実際の現象を見せて、生徒自身に「なぜだろう?」と考えさせる強い動機を与える

など。「この学習の最も効果的な手段は何か?」ということがしっかり検討されていることが実感できる。 「昔ならプリントで計算問題をさせていました。しかしそれではつまずきの履歴が残らない。間違ったら消しゴムで消してしまい、正しい答えだけを書くからです。教師にはどこでつまずいているかわからないし、生徒の記憶にも残りません。ここで『スクールイントラパック3』を使えば、教師にとっても生徒にとっても有効ですよね。そういうところでIT教材は使っていくべきだと思います」
 パソコンを使うだけで、生徒たちはわくわくしてくると金鑄先生は言う。まずそういう関心、意欲を高めることはIT授業において大きなポイントだ。しかし、それだけではもったいない。
 「例えば子どもたちが手を挙げにくいような場面も、『スクールイントラパック3』の機能を使えば、みんなが平等な立場で意見を表明できるんですよ」
 全員の意見を一覧で見ることによって、気づき合い、学び合いができるのも、ITを使う大きなメリットだ。


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