ベネッセ教育総合研究所
特集 小・中の壁を超える中1・1学期の指導 とは?
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「総合的な学習」での小・小連携で、プレ初期指導
 赤池町の推進事業では、鍋藤校長や柴田先生が課題としてとらえている「仲間づくり、人間関係づくり」についての「小・中連携」、「小・小連携」(小学校同士の連携)の事業も03年度にはいくつか行われた。そのなかでもユニークなのは、赤池中学校に進学してくる上野小学校と市場小学校の6年生が、「総合的な学習の時間」(以下、総合的な学習)に共同で取り組んだことだ。
 赤池町には、上野焼という有名な焼き物がある。上野小学校と市場小学校の児童たちは、「総合的な学習」のなかでお互いに交流をしながら、上野焼の歴史を調べたり、陶器祭りへの参加に向けての準備を進めていった。この小・小連携のねらいは「多様な考えにふれながら、ともに課題解決をする喜びを味わう」ことにあるのだが、中学校側から見ると「やがて赤池中学校に入ってくる子どもたちが、事前に交流をする機会が持てた」という利点があった(写真1)。
写真
▲写真1 陶器祭りでの発表風景。
小学校時代に別の小学校の子どもと交流することは、
中学校入学後の人間関係づくりにもプラスの効果をもたらす
「私たちの学校に入学してくる二つの小学校の生徒が、『総合的な学習』の活動を通じてあらかじめ顔を知っていたということが、中1の1学期に集団づくりをするうえでかなり助かりました。班で係を決めるときなども、例年以上にスムーズに運んだと思います」(柴田先生)
 小・小連携が、いわば中学校に入る前のプレ初期指導になったわけだ。


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