ベネッセ教育総合研究所
特集 学びに向かう集団づくり
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教科学力に加えて広義の学力も向上

 こうした聖籠中学校の先進的な取り組みは、今年で5年目を迎える。これまでの取り組みによる成果を総括し、市島校長はこう語る。
  「当初の目的だった校内暴力や不登校、いじめといった問題の克服は達成されました。自分の居場所を探しやすく、個に応じた学習に対応できる教科センター方式は、すべての生徒にとって学びの環境を安定させ、さらに自ら伸びようとする生徒を引き上げるという効果をもたらしていると確信しています」
  学力テストの結果から明らかになった学力の向上はもちろんのこと、生徒や保護者に対して実施したアンケートの結果からも、意欲面や学校生活への満足度をはじめ、総合的な生徒の力が着実に高まっていることが明らかになっている。
  また、成果は数値では表せない部分からも感じ取ることができる。聖籠中学校の生徒たちは、校内を歩く外来者に「こんにちは!」と元気な声をかけることを忘れない。学校を訪れた人々を、温かく迎えるという穏やかな気風が校内に形成されていることがひしひしと伝わってくる。
  そして、休み時間になると学校内のいたるところにグループができて生徒同士が話をしたり、調べ学習のグループでパソコンや教科ラウンジを使って調べたりするようすを、日常的に目にすることができる。学ぶ意欲を持ち、主体的な行動に向かう生徒を育んでいる聖籠中の指導に、学びの場の工夫と地域連携の強さを見て取ることができる。
写真1
 ▲写真1 教室や職員室、校長室など、すべての部屋はガラス張りで、
風通しのよい空間をつくり出している
写真2
 ▲写真1 学習テーブルを使用し、小グループで調べ学習をする姿が
あちこちで見られる


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