|
|
|
|
|
すべての教科の授業に「科学」を取り入れる
|
|
では、附属長岡中学校は、各教科でどのようにして「感性」や「科学的なものの見方・考え方」を働かせる授業を実施しているのだろうか。
「生徒の感性を磨くためには、授業のなかに教師が意図的にズレを持ち込むことが有効だと思います。それによって『なぜだろう』という疑問が生まれ、対象を追究していこうとする感性が働きます。そして、その疑問を、それぞれの教科の特性を踏まえながら、分析的・総合的に考えていく授業を展開しています」(渡部先生)
具体例を挙げて説明してみよう。
■理科
図1は、1年生理科の単元「物質の成り立ち」の授業の流れだ。授業では、まず教員が茶色の液体の入ったセロハンの袋を示して、「これを水溶液の中に入れると、どうなる?」と生徒に尋ねる。生徒は自分の生活経験から、「何も起こらないのではないか」と予測する。ところがセロハンの袋を水溶液に入れると、予測に反して白濁物が出てきた。自分の経験とのズレを感じた生徒たちは、「茶色い液体は何だろう」「白いもやもやは何だろう」という疑問を抱き、現象を探究する価値を感じる。
|
|
|
|
こうした「科学的な感性」が働き出したところで、生徒は教師から与えられたヒントや持っている知識をもとに、自分なりの仮説を立て、実験の方法を構想する。
その検証実験の結果を分析する際に求められるのが「科学的なものの見方・考え方」だ。生徒は分析的な思考力を働かせ、対象を把握する。そして、その分析をもとにさらなる仮説を立てるときには、再び「科学的な感性」が必要になる。
いわば生徒は「科学的な感性」と「科学的なものの見方・考え方」の双方を行き来しながら、スパイラル状に考察を深めていくのだ(図2)。
|
|
|
|
|
|
|