特集 「考える力」を引き出す授業―理数教科からのアプローチ―

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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支離滅裂なときこそ頭は活発に考えている

 深くものごとを考えているときほど、出てくる言葉は支離滅裂なものになりがちです。新しい考えは、一見関係のないもの同士を、比較や分類、関連づけするところから生まれます。「何かに結びつきそうだぞ」と気がついたら、頭のほうが勝手に動き出します。エジソンやアインシュタイン、あるいはベンチャー企業の社長も、発見や発明の過程ではみんなそういう経験をしているはずです。そんなときに「あなたは今何を考えているのですか」と質問しても、たぶん、支離滅裂な答えしか返ってこないでしょう。
 新しい考えが結晶化して、言葉として紡ぎ出されるまでには、一定の時間がかかります。頭の働きのリズムは、一人ひとり異なります。「ひらめいた!」と瞬時に結晶化する人もいれば、長い時間をかけてゆっくりと自分の考えが熟していく人もいます。ですから教育に一番必要なのは、一人の子どものなかで生まれた気づきが自分なりの考えへと熟していくまでの時間を、きちんと与えることなのかもしれません。


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