特集 「考える力」を引き出す授業―理数教科からのアプローチ―

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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子どもの頭の働きの「リズム」を理解する

 大脳生理学の立場からみると、子どもたちの学習活動を学校の時間割の枠にはめ込むことは、本来無理があります。国語の勉強をして、その次は理科、そしてまた別の勉強というのでは、頭の中で考えが熟していく芽を摘んでしまうことになります。学者や作家は、一つのテーマを「ああでもない、こうでもない」と一日中頭の中でこねくり回しています。そしてお風呂に入っているときなどに、突然「わかったぞ!」と考えが結晶化したりします。エジソンやアインシュタインは学校では劣等生だったそうですが、たぶん、学校が求めるリズムと彼らのリズムが合わなかったのでしょう。
 でもそんなことを言われても、教える側としては困りますよね。学校は一方で子どもたちに、時間や締め切りを守るといった社会のルールを身につけさせる役割も担っています。また、授業時数が限られているなかでは「考えが熟するまでの時間を十分に与えること」も簡単ではないでしょう。
 おそらく学校とは、このような矛盾をたくさん抱えているのでしょう。そのような事情は理解したうえで、それでも先生方には、子どもの豊かな頭の働きを引き出していくための意識を持ち続けていただきたいと思います。
(談)


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