e授業のある風景 京都府城陽市立南城陽中学校

京都府 城陽市立南城陽中学校

京都府南部にある城陽市の緑に囲まれた丘陵地に、1979年4月、市内3番目の中学校として開校。豊かな地下水に恵まれ、古くから栽培されている市花「花ショウブ」は京阪神随一の生産量を誇る。2001年度より、「基礎・基本と生きる力」の育成を目標に、学力充実のための取り組みや朝読書、体験活動、生徒会活動、ボランティア活動などを活発に行っている。

森口光治

▲校長 森口光治先生

生徒数◎391人
学級数◎13学級
〒610-0115
京都府城陽市観音堂巽畑17-4
TEL 0774-53-7009
FAX 0774-53-7137
http://www1.kyoto-be
.ne.jp/minamijoyou-jhs/

植村政則

▲教頭

植村政則

Uemura Masanori

今尾 義

▲情報教育担当、技術科

今尾 義

Imao Tadashi

増馬俊之

▲社会科

増馬俊之

Masuuma Toshiyuki

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
  PAGE 1/7 次ページ

e授業のある風景

京都府 城陽市立南城陽中学校

体験学習と連動したIT活用の充実を教科の学習にも生かす

IT教材の活用は、決してそれ自体が目的ではない。「学力の充実と豊かな心の育成」を教育実践テーマとした活動を通して、生徒にITの活用スキルを身につけさせ、授業にもITを取り入れようとしている南城陽中学校の試みを紹介する。

体験学習の発表を目標としたプレゼン技術育成

 南城陽中学校では、「新たな南城陽中学校の創造」に向けて、特色ある学校づくりを進める中、「学力の充実と豊かな心の育成」を教育実践テーマとした「新学力充実トータルプラン」を設定した。その一つである「わかる授業・個に応じた指導の実践」の中に情報教育の推進を位置づけ、IT活用能力の育成をめざしている。
  具体的には、技術科での指導に加え、「総合的な学習の時間」を活用。3年生の「東京体験学習」(修学旅行)の体験をパソコンを使ってプレゼンテーションすることを最終目標に、3年間を通したカリキュラムを作成している(図1)。
図1 クリックすると拡大します
図1
  体験学習は、南城陽中学校の特色の一つ。1年生の琵琶湖の自然体験学習、福祉体験学習、京都市内グループ別体験学習、2年生の職場体験学習、神戸市内グループ別体験学習、そして3年生の東京体験学習(修学旅行)、進路セミナーと、さまざまな人と触れ合う体験をする。それらの活動をまとめて発表するときに情報教育を組み込んでいる。
  南城陽中学校の体験学習は、森口光治校長の指導の下、すべての学校行事を「子どものためになっているか」という観点から見直すことで生まれたものだ。
  「体験学習はグループごとに興味に合わせてさまざまな活動を行いますから、以前に行われていたスキー教室に比べると教師の負担はかなり増えたと思います。でも、生徒のためになると思うからがんばれます」(植村政則教頭)
  この姿勢はIT教育に関しても同様で、ただ技能を教えるだけでなく、それが子どもにとってどんな意味があるのかを考えて、体験学習の実践の中に組み入れられている。
  技術を生かす場は、体験学習ばかりではない。南城陽中学校では、「町ぐるみ町づくり推進会議」―ハートフル・ハロープラン―の活動の一環として、地域の幼稚園、小学校、中学校、高校の子どもたちの作品を一同に展示する「町の文化展」を開催している。告知のためのポスター作成などにも、生徒たちが自主的に、パソコンの技術などを使って積極的に取り組んでいる。

  PAGE 1/7 次ページ