特集 学校力を生み出す学校評価
岡山県 岡山市立石井中学校

開校は1947年。岡山市の中心部に位置し、校区は岡山駅の西側に広がる。2002年度から3年間、文部科学省の学力向上フロンティア校の指定を受けて、授業研究に力を入れた。04年度には岡山市の地域協働学校に指定され、地域が一体となった教育活動の形を模索している。

岩堂秀明

▲校長 岩堂秀明先生

児童数◎437人
学級数◎14学級
TEL 086-252-1165
FAX 086-252-0584
〒700-0051
岡山県岡山市下伊福上町10-9
URL http://www.city-
okayama.ed.jp/‾ishiic/

※本文中のプロフィールはすべて取材時(06年3月)のものです

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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特集 「学校力」を生み出す学校評価

学校教育の質に対する保護者や地域の関心が高まり、教育現場が責任を持って自己改善する仕組みとしての「学校評価」の必要性が認識されるようになった。学校評価の重要性と、その効果的な実施手順を考える。

【事例1】先行事例に見る学校評価の効果

年2回の学校評価と積極的な情報発信で主体的な学校づくりを推進

岡山県岡山市立石井中学校

石井中学校は“地域協働”の学校づくりを標榜し、年2回の学校評価を通して、保護者や地域住民らの声を積極的に取り入れている。それをPDCAサイクルに組み込み、効果的な学校改善につなげている。

1年余りの取り組みで生徒の意識が大きく変化

 石井中学校の生徒の意識や生活の様子は、この1年で大きく変化した。それを端的に示すのが、全校生徒に向けたアンケート項目「学校の雰囲気はよく、落ち着いた学校生活を送っているか」に対する回答だ。2004年度と比較して、肯定的な声が05年度には大きく上昇している。
  その背景には、岡山市の指定を受けて04年度に始まった「地域協働学校づくり」の取り組みがある。地域の幼稚園や小学校とも連携しながら、家庭・地域・学校・園が協働して子どもを育てる多様な試みだ。その中心的制度となっているのが、内部・外部の声を最大限に取り入れた学校評価で、それをPDCAサイクルに組み込み、学校改善につなげている。岩堂秀明校長がそのねらいを説明する。
  「従来、教師は経験や感覚に頼って自己反省をしていました。もちろん、それも重要ですが、外部の客観的な評価がプラスされれば、より立体的な視点で現状を捉えられます」
  石井中学校のPDCAサイクルの特徴は、年2回実施する点にある(図1)。それにも明確なねらいがある。岩堂校長は続ける。
  「一般的なPDCAは、年度末に1度、1年を振り返る形が多いですが、それでは1学期の記憶が薄いなど、具体性を欠いた反省になりがちです。学期ごとに成果や課題を明確にして次学期に反映させれば、より即効性があり、効果の高い改善につながると考えました」
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図1
上記の取り組みに加えて、学級だより、学校だより、給食だよりなどを通年で発行。体育大会、文化祭、毎月の参観日や懇談会などでも、生徒の様子や成長を伝えている

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