特集 学校力を生み出す学校評価

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「学校力」を突き詰めれば「授業力」へと行き着く

北神 そのような学校づくりの努力が、中央教育審議会のいう「学校力」につながると思います。学校力という言葉は漠然としていますが、突き詰めれば何を指すのか。核となるのは「授業力」でしょう。どのような授業を構成し、子どもに学ぶ楽しさ、喜び、そして大変さを伝えていくか。そして、最終的にどのような子どもを育てていくか。アプローチの方法には、教師の授業力向上、保護者や地域の指導力の活用、幼小、小中、中高をつなぐ連携などいろいろ考えられますが、それが学校としてのアイデンティティになると思います。
小川 授業こそが学校力の核という考えに、全く同感です。教師が力量を高めて授業が充実すれば子どもの気は散らなくなり、指導上の問題も減ると思います。しかし、これまで十分に授業に集中していたかと問われれば、ほかの仕事の負担も大きく、否と答えざるを得ません。管理職にとって、どれだけ教師の授業力を引き出せるかが、大きな課題です。
岩堂 私も学校の基盤が授業にあるのは確かだと思います。しかし、中学校の場合は、部活動も軽視できません。いま一つ、勉強に身の入らない子どもが、高校でも部活を続けたいからとがんばり続けている例もあります。それに似た例は数多くあります。未来に目標を持つことで子どもが成長するという点で、部活動の力を実感します。
北神 勉強や部活動をはじめ、子どもがアイデンティティを見いだすための選択肢が多いのはよいことだと思います。重要なのは、そこからどう導くかということ。意欲の源が見つかったら、「これとこれもがんばらないと、やりたいことにつながらないぞ」と、勉強なら勉強に結びつける。学校と子どもをつなぐサポート力も、学校力の一部だと思います。
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新設校の当校には前例がありません。それだけに、学校評価を通して初年度の取り組みが成功だったと実感できたことに勇気づけられました。近い将来は地域も巻き込んで、一体となって子どもを育てたいと考えています(小川潔先生)

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