特集 コミュニケーションが生まれる授業づくり
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 14/21 前ページ 次ページ

学校の指導の流れに合わせた年間計画

 SGEの年間計画が「学級づくり」や学校行事と密接に連携していることも見逃せない
  まず、入学当初やクラス替えがあった年度当初には、互いを理解したり、新しい仲間について良いイメージを持ったりするためのエクササイズを行う。
  「年度当初にある程度の信頼関係が築ければ、その後の授業やクラス運営がスムーズになります。この時点で少なくとも『互いを尊重し合う』態度を養っておきます」(特活部長・中島英和先生)
  その後は学校行事と連動しながら、クラスの連帯感を高めるエクササイズをする。例えば、2年生2学期の合唱コンクールに合わせて行う「私たちの得た宝物」では、行事の終了後、名前を書いた紙に互いをたたえ合う文章を書いて皆に回す。各自がどのような役割を果たしたかを確認し、感動体験を分かち合い、次の行事のステップとするのだ。そして、学年末には別れのメッセージを贈り合う「別れの花束」などのエクササイズを行い、互いに良い人間関係を築けたことを確認し合う。
  「エクササイズを始める前には、必ず生徒に参加の意思を確かめます。当初は、『荒れている生徒たちが本当に乗ってきてくれるのだろうか』という不安もありました。しかし、クラスのほとんどの生徒が参加する中で、1人だけ参加しないというのは、荒れている生徒にとっても辛いことなのです。04年度末には、生徒全員がエクササイズに参加するようになり、荒れていた生徒もクラスに馴染めるようになっていきました」(生徒指導主事・高林英伸先生)

   PAGE 14/21 前ページ 次ページ