改革から2年半が経過し、本郷中学校の教師は生徒たちの変化に確かな手応えを感じている。近藤校長は「生徒を褒める場面が多くなった」と目を細める。
「以前は地域の方からの電話といえばほとんどが苦情でした。しかし、最近は『登下校中に挨拶をしてくれて気持ちよかった』など、お褒めの言葉を頂くことが多くなりました。また、学校が落ち着いたことで学習効果も上がっています。学力を高めるためには、まず生活をしっかりとさせなくてはいけないということを改めて実感しました」
最大の変化は、生徒たちに「NEW本郷中づくり」という目標に向かって協力し合う姿勢が育ってきたことだ。06年度の生徒会役員選挙では、定数8人を大きく上回る20人が立候補。かつては立候補者の演説中に野次が飛び交っていたが、現在ではほとんどの生徒が真剣な眼差しで演説に耳を傾けている。また、生徒会が学校内を清掃する「お掃除し隊」を企画しボランティアを募ったところ、約300人が名乗りを上げた(写真)。多くの生徒が自分たちの手で「NEW本郷中」をつくり上げるのだという意欲に燃えているのだ。
本郷中学校のスローガンは、04年度は「NEW本郷中づくり」、05年度は「NEW本郷中ステップアップ」だった。そして、06年度は「NEW本郷中ジャンプアップ」の年―。「今の生徒たちなら、新しい本郷中学校の確立に向けて、更なる飛躍を見せてくれるに違いない」本郷中学校の教師たちはそう確信している。
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