ベネッセ教育研究開発センターの調査データを中心に学校教育の現状と課題を整理。それらの課題に対して、指導改善に取り組む学校を紹介する。今号は、学区が一体となって小中連携教育に取り組む、広島県府中市立上下中学校の事例を取り上げる。
小中連携の必要性が指摘されるようになって久しい。文部科学省も、2004年に学校教育法を改正し、小中連携教育をバックアップする姿勢を明確にしている。これを受けて、自治体の中には、公立の小中一貫校の設置や6・3制にとらわれない教育課程の編成に意欲的なところもあるようだ。 小中連携の必要性が強く叫ばれる背景には、中1進学時に学習面でつまずく生徒が多く見られるという問題がある。図1、2を見ると、「上手な勉強の仕方がわからない」「どうしてこんなことを勉強しなければいけないのかと思う」という子どもが、中1を境に急増している。このことからも問題の深刻さがうかがえる。