2000年ごろ、横須賀中学校は愛知県下で最も荒れた学校として知られていた。生徒同士のけんかや問題行動が多発し、子どもを私立中学校に進学させる家庭も見られるようになっていた。保護者や地域の信頼を一挙に失っていたのだ。
それでも、立て直しに向けて強い思いを抱く教師をはじめ、PTAを中心とした地域の協力、そして市教委のバックアップを受け、01年ごろから校内暴力は沈静化していった。加藤朝夫校長が04年に赴任したときには、既に部活や授業に一生懸命に取り組む姿勢が生徒の間で広がり始めていたという。
「今の生徒の保護者の6、7割は、昭和40年代の本校の卒業生です。当時の本校は、部活動も勉強も、常に地元の知多地方でトップクラス。『天下の横中』と呼ばれていたほどでした。保護者の間から『天下の横中を復活させてほしい』という声が聞かれるようになりました」(加藤校長)
05年度初めの全校集会。加藤校長が「天下の横中」の話題を取り上げたところ、生徒会を中心に生徒たちも復活に向けて乗り気になったという。「輝く学校づくり事業」がスタートしたのは、生徒や保護者、教師の間でそんな機運が高まり始めたときだった。
「本校にとっては大きなチャンスでした。これを機に、地域に開かれた学校づくりと小中連携を強化しつつ、文武両道の復活を本格化させることにしました」(加藤校長)
そこで、「天下の横中」復活に向けて、横須賀中学校は次の3つのテーマを掲げた。
(1)将来に生きる資格取得
(2)知多管内での部活動実績NO.1
(3)潤いのある学校環境づくり
こうして、横須賀中学校の「輝く学校づくり」が始まったのだ。 |