地方分権時代の教育行政 愛知県東海市
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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地域の人々に支えられ多彩な活動を展開

 一つめの資格取得は、身近な目標を掲げることで自ら学ぶ意欲を引き出すのが狙いだ。2、3年生の選択授業の中で、中学生でも取得できる英語検定、漢字検定、数学検定、簿記検定など各種検定試験の合格に向けた講座を開講している(図1)。講師は、主に地域の専門家が引き受けている。選択授業がない1年生は、検定が近づいてくると、朝の活動の時間に検定の問題演習を実施している。
  「資格試験の申込書を廊下に置いておくと、生徒たちはどんどん自分で持っていきます。資格取得という目標がやる気を喚起しているようです」(田中潤也教頭)

図1

  二つめの部活動では、女子バレーボール部員と校区の小学校高学年生が一緒に活動する小中連携のバレーボールクラブを創部した。指導者は、顧問の教師や腕に覚えのある保護者たち。06年度中には卓球も小中連携のクラブ化を実現させる予定だ。クラブ活動についても、地域からの外部指導者を全体で15人ほど招聘(へい)している。
  三つめの「環境づくり」では、地域の花ボランティアの協力の下、1人1鉢運動を展開している。
  これら三つの取り組みを支えているのは熱心な地域の人たちだ、と加藤校長は話す。
  「小中連携のバレーボールクラブには多くの保護者に参加していただいていますし、私たち教師が驚くほど熱心です。多彩な資格講座を開くことができたのも、地域の方々の協力があるからです」
  成果目標は、部活の大会成績や資格取得率といった数値を設定した(図2)。
  「輝く学校づくり」が始まって2年目だが、既に全国レベルへの到達が近い部活も出始めている。資格取得の面でも、更に上を目指そうという機運が生徒たちの間で高まっている。これらの活動を進めていくためにも、市教委との連携が大切だと、加藤校長は強調する。
  「本校は荒れから立ち直ったといっても、生徒にはまだ手厚いフォローが必要です。市教委は市単独で指導主事を増員しており、学校現場を頻繁に訪れ、相談に乗ってくれます。常に現場の様子を見て、ときには市の財政当局にかけ合ってもくれます。今は学校内だけですべての問題を解決できる時代ではありません。生徒のためにも市教委との連携を一層強めていこうと思います」

▼図2 クリックすると拡大します図2

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