Web限定コンテンツ 演劇を通して豊かなコミュニケーションを育む

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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演劇を通して表現の面白さを知る

 すべてのグループが発表を終えた後、平田さんは、上手なグループの共通点として、友だち同士での会話や先生との会話、初対面の転校生との会話など、話し相手に応じて自然に言葉遣いを変えていたことを挙げた。

 「こうした言葉の遣い方を意識することが、国語の勉強や、学校を卒業してからの生活に役立つのです」(平田さん)

3年生になると、受験に向けた面接練習や公式行事の学校代表など、自分からメッセージを発信する機会が多くなる。これまで、“話さなくてもわかり合える”人間関係の中で育ってきた生徒自身も、自分の考えを相手に伝えることについて課題を持ちやすい時期だ。

 「演劇を通じて、自分で表現することがどれだけすばらしいことかがわかった。うまく自分を表現できる人になりたい」

 「何かを表現するというのは、いろいろな人の協力があってこそ出来るものなのだと思った」

ワークショップ終了後、生徒たちからはこのような感想が寄せられた。内海先生は、新しい発見をしたり、学校外の人から教わったりする体験を通して、子どもたちは自分の殻を破り、コミュニケーションを豊かにしていくのだと考えている。

 「学校や授業は、子どもたちが『生きる場所』のほんの一部に過ぎません。学校が地域に深くかかわることで、子どもたちがいろんな人たちと出会い、いろんな体験をし、いろんな世界とつながる機会をこれからもたくさんつくっていきたいと思います」(内海先生)

 

(VIEW21編集 佐伯静香)


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