第1部 これからの学力調査を考える 学力調査を教育改革の起爆剤に
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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自治体独自の学力調査も地域に合わせ更に推進を

 全国的な学力調査で都道府県間の格差が明らかになれば、低迷する都道府県には教員の加配や研究指定による対策、また財政的な支援も必要になるでしょう。教育委員会でも、全国的な位置や、学力の強み・弱み、地域内格差などが把握できますから、その分析結果を積極的に活用していただきたいと思います。
  特に学力の格差は、都道府県よりも市区町村間で顕著であることを念頭に置いてほしいと思います。結果によっては、財政支援や研修の導入、教材やカリキュラムの工夫、授業時数の増加など、実態に即した手立てが必要となるでしょう。
  近年、独自の学力調査を実施する自治体が増えていますが、07年度以降も、その流れが強くなることを望みます。全国的な学力調査は実施する学年や教科が限られ、内容も極めて基礎的なものです。地方自治体では、幅広い学年や教科の調査を実施し、より多面的な学力の実態を把握してほしいのです。
  更に、地方自治体による学力調査の大きなメリットとして、地域性を反映できることが挙げられます。全国各地には、文化や地理、歴史、自然環境などの面で極めて多様な地域性が存在します。そうした地域性を反映させた学習内容を盛り込むことで、地域の特性を生かした教育の指針をつくってほしいと思います。

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