第2部 学力調査を活用した実践事例 [事例1]石川県かほく市立河北台中学校

School Data

石川県 かほく市立河北台中学校

1957年、旧七塚町立七塚中学校、および外日角中学校が統合して誕生。90年度に石川県と旧七塚町の指定で生徒指導の研究発表を実施し、以来、生徒指導の研究に力を入れている。05年度から3年間はかほく市の「確かな学力育成のための実践研究事業」の研究指定を受け、学力向上に向けた研究に意欲的に取り組む。

浅野外志

校長 浅野外志先生

児童数: 349人

学級数: 12学級

TEL: 076-285-0262

FAX: 076-285-1483

所在地: 〒929-1173
石川県かほく市遠塚ロ47-1

URL: http://www.city.kahoku.
ishikawa.jp/kahokudai-jh/

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【事例 1】

石川県 かほく市立河北台中学校

指導改革の成果を学力調査で追跡検証

かほく市立河北台中学校では、学力調査の結果を
踏まえた改革を推進すると同時に
2005年度から、その結果を学校独自の実力テストを使って
検証することにも取り組んでいる。

05年度から全学年で学力調査を実施

 2002年度から3年生を対象にした県の学力調査を、05年度からは1、2年生を対象にした市の学力調査も受検している河北台中学校。県の「確かな学力育成のための実践研究事業」指定校でもある河北台中学校にとって、全学年が学力調査を受検できるようになった05年度は、一つの転機となる年だった。浅野外志校長はその理由を次のように説明する。
  「実は、02年度から受検してきた県の調査だけでは、指導改善に対する効果が十分ではありませんでした。3年生のみが対象のため学力の経年変化が追えませんでしたし、高校入試を目前に控えた11月に結果が発表されるため、授業改善に結果をフィードバックするのも難しかったのです。しかし、1、2年生を対象にした市の調査が加わったことで、3年間を通じた学力の比較や、授業改善のPDCAサイクルが回せるようになりました。組織的な指導改革を進める上で、大きなメリットをもたらしたと思います」
  だが、満を持して受検した05年度の学力調査の結果は、必ずしも満足のいくものではなかった。研究主任の大和泉先生が振り返る。
  「受検教科は2年生が国語・数学・英語、1年生は国語・数学・理科でしたが、1年生が全教科で市の平均を下回ってしまいました。更に、併せて行った学習意識調査の結果から、学習に対する意識や積極性の低さも明らかになりました」
  日々の指導を通じて1年生の学力不足を実感していたものの、その結果には教師一同、「これほど悪かったのか」と大きなショックを受けたという。だが、一方ではプラスの成果も得られた。大和先生が続ける。
  「指導の手応えがつかめていた2、3年生は、それぞれ市と県の平均を上回ったのです。こうした結果から、学力調査には日々の指導の成果がかなり正確に表れることを改めて認識しました。学力調査に基づいた指導改革を進める方針に自信を深めました」
●05年度の学力調査の受検状況
【県の学力調査】
実施年度/ 02年度から
実施時期/ 4月
対象学年/ 3年生
対象教科/ 国・数・英・理・社
【市の学力調査】
実施年度/ 05年度から
実施時期/ 5月
対象学年/ 1、2年生(全員)
対象教科/ 国・数・理・学習意識調査(1年生)、国・数・英・学習意識調査(2年生)

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